働き方の新スタイル「アグリ・スマートシティ」実証実験in安平町①

 「転職なき移住」が出来るとしたら、あなたは「どこで」「何を」したいですか。
日中は仕事をして、仕事後は雄大な自然を眺め、土日には農作業で汗を流す。そんな暮らしはいかがでしょうか。

 今回は、そんな夢と可能性のある「アグリ・スマートシティ」の実証実験のご紹介です!!

そもそも「アグリ・スマートシティ」とは?

 「アグリ・スマートシティ」は㈱ANA総合研究所が提唱する新たなコミュニティの在り方です。(詳細はHPをご覧ください。https://www.anahd.co.jp/group/pr/202304/20230412.html)

 都市部で働く社会人を誘致し、地域で生活しながら従来の仕事を続けていただく一方で、休みの日や場合によってはダブルワークとして農業を中心に地域での仕事にも従事していただくことを推進しています。ICT企業などを中心にリモートワーク可能な業務の方々との相性の良さが特徴です。

イメージ図(㈱ANA総合研究所 資料:『 「アグリ・スマートシティ」構想』より抜粋)

「アグリ・スマートシティ」が解決する課題とは

 「アグリ・スマートシティ」(以下、ASC)では大きく3つの課題の解決に効果的であると考えられています。

①大都市圏への人口の一極集中

②一次産業を中心に地域産業の衰退

③イノベーションの生まれにくい環境

 上記の課題について1つずつ紹介したいと思います。

①大都市圏への人口の一極集中
 東京、大阪など経済やサービスの集中する大都市圏への人口集中が起こっているが、人口の一極集中は地方経済の衰退だけでなく、大都市圏でも公共サービスの提供が困難になる、大気汚染の拡大、災害時の被害拡大など影響が多く、日本の持続的な経済発展においては地域分散型経済が重要視されています。ASCでは地域でリモートワークで働くという大都市圏からの人口の分散が前提として考えられており、効果的な取り組みであるといえます。

②一次産業を中心に地域産業の衰退
 ASCではA:Agriculture(農業)を掲げていますが、本質的な考え方は地域産業とのダブルワークの実現にあります。ワークとバケーションを掛け合わせたワーケーションとは異なり、実際に地域と密接に関わることを重要視しています。実際にボランティア活動ではなく、将来的には農業の繁忙期など人手が必要となる時期などには貴重な労働力の補填となることで賃金を得られるダブルワークとしての両立を目指しております。
 地域としては担い手不足の地域産業における労働力の確保
 参加者側としては日頃とは異なる業務に参加することによる気分転換(特に土に触る仕事は人間性の回復の効果も期待されています)など双方にメリットのある取り組みだと考えられています。

③イノベーションの生まれにくい環境
 ASCでは地域コミュニティと参加者(大都市圏から来た人)のコミュニティの交流により、新たなイノベーションが生まれる可能性が高まると考えられています。既存の社会環境では、業界のイシュー、企業文化、成功のジレンマなど柔軟性が失われている環境であることが散見されます。その様な硬直した環境を壊すためには「外・他・異」などからの刺激が必要とされます。その為ASCにおいては様々な出身、年齢、立場の人で構成される多様性の高いコミュニティを作ることでイノベーションの生まれる環境を作り出そうとしています。

参加者(参加を許可する企業)のメリットとは

 ASCは日本の課題を解決するプログラムではありますが、参加者/企業としてのメリットも気になるのが正直なところです。実際にASCの実証実験を実施をしてみて感じたメリットは大きく2点ありました。

①越境学習における人材育成の機会
 ASCでは日常生活で所属している環境/コミュニティを飛び出し、初体験となる地域での生活、活動を行います。現地の方々とのコミュニケーション、なれない農作業への従事、地域の方々との地域課題解決の検討など多くの経験をしていただきました。詳しい説明は次の記事でご説明いたしますが、「リーダーシップの発揮」「新たな事業アイディアの検討※前述」など座学ではなく実践の場だからこそ得られる気づき、学びを持ち帰っていただきました。まさに「越境学習」の最良の場であったといえます。

②ウェルビーイングを実感できる環境
 ASCでは農業体験を実施いたしました。オフィスワークが中心で都市圏に住んでいる参加者の方々の中には公園以外で土の環境を久々に目にした。と仰っている方もいました。昨今多く発生しているメンタルヘルスの要因は様々ですが、その要因の一つには「運動不足」「コミュニケーション不足」「長時間のデスクワーク」などがあります。
ASCの農業体験では日光を浴びながら、農作業(畑の畝:うねづくり、苗植え、草刈りなど)を行いました。一人で出来ない作業もあり、周りの方々と声をかけながら作業を行うことで、汗をかき肉体的には負担のかかる作業でしたがどの参加者も清々しい表情をされておりました。ある種の人間らしい/動物らしい活動を行うことで心身のリフレッシュの効果があったといえます。

 実際にASCの活動詳細については働き方の新スタイル「アグリ・スマートシティ」実証実験in安平町②にてご紹介したいと思います!!

 こうご期待ください!!!